新教育の森:学力向上進学重点校指定1カ月、全校挙げ受験対策--湘南高 /神奈川
6月23日15時1分配信 毎日新聞
◇HP刷新、PRも私学並み
「学力向上進学重点校」として県教育委員会が県立高10校を指定して1カ月余り。このうち湘南高(藤沢市鵠沼神明5)は、夏期講習の講座数を昨年の4倍以上に増やすなど大学受験対策を学校挙げて強化する。一方で、来月にも学校ホームページ(HP)を抜本的に作り直すといったPR活動にも取り組む。私学並みともいえる“競争”が公立校でも激化するか。【山田研、写真も】
◇夏期講習の講座4倍以上
「私たちのミッション(任務)の一つは、高い学力と意欲を持って入学した生徒一人一人の進路希望に応えること。期待される進学校づくりに、さらに努力したい」
同校の川井陽一校長は指定を受けた意気込みを語る。同校がまとめた今春の進学実績には、東京大11人、早稲田大114人、慶応大63人といった“県内公立校トップクラス”の実績が並ぶ。現3年生から「県内1学区制」となり、入学する生徒の出身地域も徐々に拡大。さらに現1年生からは、定員の8割を募集する後期入試の主要科目で、学校独自の出題をした。その流れの延長に重点校指定があると言える。
来週、同校は夏期講習の講座を生徒に提示し、受講を勧める。原則1回60分で5日間連続の講座を35程度用意。8講座だった昨夏に比べ数が増えるだけでなく、「教員個人の取り組みだったのを組織でやる」(川井校長)という。
また、進学や将来の職業選択の動機づけを狙って、昨年始めた「キャリア講演会」を今年も実施。重点校指定を歓迎するOB会が全面協力する。教員を予備校で研修させてその結果を全体へ還元させたり、土曜日の授業実施も検討する。
県教委は重点校に「1校10万~20万円」の予算を用意、同校は講師への謝礼などに使う考えだ。
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「意識の変化」。県内で高校受験予備校を展開する中萬(ちゅうまん)学院の石井一也・高校受験指導事業部長は、指定を受けた高校側の対応をこう表現。そのうえで、来春以降の高校受験について「間違いなく志望校選択の際に考慮される。重点校は倍率が上がるだろう」と分析する。さらに「私学にも少なからぬ影響を与えるだろう」と、受験地図が変わる可能性も見て取る。
川井校長は、受験指導と並ぶ「ミッション」として「社会のリーダーとして活躍できる人物を育てる」を挙げる。「文武両道」の伝統を持ち、学校行事に熱心な点も、志望者により強調しようという考えだ。HP刷新も「本校に来たくなるような、発信力が弱かった」との反省に立った。
今回の指定を機に始まった“競争”は、受験成果にとどまらず学校自体を改めて問うことになりそうだ。
6月23日朝刊

